 |
鎌倉駅から、バスに揺られておよそ１０分余り。建長寺の横に、かの桑田佳祐が通った母校・鎌倉学園高等学校がある。 名曲「夕陽に別れを告げて」の舞台になったところだ。 ここは山間に位置し、太陽が傾くと早い時間にはあたりは暗くなっていく。 彼らが到着した頃には、すでに夕陽に別れを告げられていた。 |
| 日が傾いたといっても、まだ夕方。だというのに、校舎には人の気配が感じられない。 学校の校舎に囲まれたグラウンドを見ても、クラブ活動をしている人もいなかった。 生徒も先生も、誰もいない校舎。 思いがけない状況に、二人は首をかしげた。そして、通りかかった一人の生徒に事情を聞いてみた。 |
 |
 |
聞くと、この日１１月２２日は鎌倉学園高等学校の創立記念日。それで休校だったので誰もいなかったのだ。 こんな記念すべき日にここに来ることができたなんて。 二人の胸に、熱いものが込み上げた。 そこに余分な言葉は必要なかった。 正門前に腰掛けた二人はギターを取り出し、そして何の打ち合わせもないまま、演奏が始まった。 |
| 「遠く離れてＨｉｇｈ ｓｃｈｏｏｌ 揺れる思い出」 「色褪せた校舎に別れを告げる 鎌倉の陽よさよなら」 ノスタルジックな歌詞と、切ないメロディーが辺りを優しく包み込む。 二人が最後のフレーズを弾き終わった時、車のヘッドライトが二人を照らした。二人の影と、校舎の影がひとつになった。 |
 |
| 【この場所で歌われた曲】 夕陽に別れを告げて |
